プルータス・マネジメントアドバイザリーは、クライアントの利益最大化のため、専属のフィナンシャルアドバイザー(FA)として多数の中小企業のM&A支援を手がけています。特徴的なのは、M&Aありきではなく中長期間にわたってオーナー経営者様に寄り添い、お悩み解消のお手伝いをする「伴走型FA」のスタイルを貫いていることです。約3年間寄り添ったうえで、全方位的に納得感のあるM&Aを成功させた王様製菓の事例を紹介します。
質の高さを武器にニッチなルートを
次々に開拓して
独自のポジションを確立
── 王様製菓様は、100年以上の歴史を誇るおかき・あられの製造・販売会社です。東京・浅草にある「王様堂本店」のほか、都内有名百貨店に直営店舗を展開しています。これまでの歩みと、長年にわたって多くの顧客の支持を集める理由をお聞かせください。
木村様 王様製菓は、1924年(大正13年)に私の祖父が創業しました。祖父は新潟県にあるお寺の三男で、小学校を出たあとに大阪の問屋で働いていましたが、1923年(大正12年)に関東大震災が起きたことをきっかけに東京へ出てきたのです。混乱期だったので、商売のネタがあるのではないかと思ったようです。
何をするかと考えたとき、目をつけたのが米菓でした。当時の食料品はお米がベースでしたので、食いっぱぐれがないだろうということで、故郷の新潟からおかきやあられを仕入れて売り始めたんです。それが軌道にのって、製造も手がけるようになりました。
それから徐々に事業を広げていきましたが、100年続いた理由は大きく2つあると考えています。1つは、現金商売にこだわったことです。「仕入れが信用の土台」という考え方のもと、手形を切ることなく仕入先への支払いを優先してきました。昔は年末の資金繰りが大変だったわけですが、祖父は「支払いは年明けでいいよ」と言ってくださった仕入先に対しても必ず先に支払ってきました。そうした「堅い商売」を続けたことが、数々の不況や時代の荒波を乗り越えられた要因だと思っています。
もう1つは、できるだけ直接取引を行うことです。百貨店やいわゆる高級スーパーといわれる店舗でも、問屋や代理店、商社を通さず直接販売をしてきました。商売としては、そうした仲介業者を通したほうが大きくなりますが、お客様が本当に求めているものが掴みにくいというデメリットがあります。直接取引によってお客様のニーズを的確に把握できるので、それを商品開発につなげてきました。
門澤 実際、王様製菓様はいくつもの大手と直接取引をされてこられました。百貨店や流通大手だけでなく、驚くのは大手洋菓子チェーンや飛行機の機内食、お茶漬けの素に入っているあられといったニッチなルートをいくつも開拓されていることです。
加えて、国産米菓で初めてHALAL認証を取得したり、福岡の明太子メーカーやすき焼きの名店などとのコラボ商品を積極的に開発したりするなど、常識にとらわれない打ち手をいくつも展開されています。本当に喜ばれる商品を届けるにはどうすればいいか、一般的なニーズを常に広く、深く見られていると感じます。
王様製菓株式会社 前代表取締役社長
木村 秀雄 様
他社との差別化に力を注ぎ、
国産米菓初のHALAL認証も取得
── さまざまなルートの開拓に取り組まれてきた理由は何でしょうか。
木村様 祖父の代から受け継いできた経営姿勢ともつながりますが、他社との差別化を図らなければならないという思いは強くあります。それに、常時新たなルートを開拓しないと生き残れないというのが、私自身長年経営をしてきた実感です。
よくいわれることですが、特定の取引先の売上比率が高いとやはり怖いんですよ。市場の変化や取引先の方針転換ひとつで、100あった売上がいきなりゼロになってしまうからです。「問屋を介さない取引はしない」「米菓の取り扱いは取りやめる」などといきなり通告されることがこれまで何度もありました。だから、1000万、2000万円の商売をつくるよりも、100万円の商売を10件、20件展開することに力を注いできました。
そのためにも、他社にはない強みを磨くのは重要です。HALAL認証はその最たるものです。かなり精度の高い生産管理が求められるので、小規模なメーカーではコストがかかりすぎますが、大手が参入するにはマーケットが小さいんですね。我が社は飛行機会社と取引をしていたため、アレルギーや添加物の厳重な管理には慣れていたこともあり、無事に認証取得にこぎつけることができました。
門澤 お話をうかがって、HALAL基準をクリアするだけでなく、味を高めるための取り組みにかなりの力を入れていることがわかりました。社員をマレーシアやシンガポール、インドネシア、トルコなどに派遣するなどして、HALAL圏での「おいしさ」を実現されているんですよね。利益の確保だけでなく、質の追求を大切にされているのが、王様製菓様の特徴だと思います。ですから、堅調な業績をあげておられましたが、数字以上に付加価値が高い企業だと感じました。
M&A仲介への「違和感」を払拭した
売り手専属アドバイザーである
PMAの「真っ当さ」とは
── M&Aの実施に至った経緯を教えてください。
木村様 中小企業の事業承継がかなり難しくなってきたというのは、早い段階で感じていました。昔ならば、有無をいわさず長男が承継していましたが、もはや親族であっても事業を知らない人間が継いでうまくやっていける時代ではありません。知人や親戚筋から、先代の個人保証をそのまま引き継いでしまい、大手企業を辞めてまで承継したのに会社ごとダメになってしまった話をいくつも聞いています。
それに、ビジネスを取り巻く環境がどんどん複雑化しているので、そもそも中小企業が生き残るのは厳しくなっています。加えて、米菓市場は大手の寡占が続いているうえ、人口減少社会を迎えている中で供給過剰となっています。都心の老舗店でよくあるように、安定した不動産収入があればまだしも、それがない状態で子どもに引き継がせるのは酷な話だと思っていました。
そこで、M&Aについて相談しようと思ってM&A仲介大手が開催しているセミナーや、公的な相談窓口(商工会議所が国から委託されている「事業承継・引継ぎ支援センター」)に行ってみたのですが、正直なところお話になりませんでした。
── どんなところに不足を感じたのですか。
木村様 公的な相談窓口は単なるアドバイスにとどまっている感じで、あまり突っ込んだ話にならないんです。それでうまくいくケースもあるかもしれませんが、売却したいこちらの要望がしっかり通るようには感じられませんでした。それよりもおかしいと感じたのは、M&A仲介のやり方です。売り手と買い手の間に立つ時点で利益相反ですし、どちらからも手数料をとるなんてどうなんだと思いました。
そんなとき、知人から紹介されたのがプルータス・マネジメントアドバイザリー(PMA)の門澤さんだったんです。門澤さんから、M&Aの支援会社には仲介だけでなく売り手を専属で支援するフィナンシャルアドバイザー(FA)がいるということを初めて知り、これは真っ当だと思いました。
門澤 木村様を紹介してくださったのは、M&Aの専門家でもともと大手ファンドの責任者だった方です。プルータス・マネジメントアドバイザリーが売り手のアドバイザーを務めていたとき、そのファンドへ売却したのが縁で知り合いました。
── その紹介者の方は、買い手として、プルータス・マネジメントアドバイザリーを信頼できるM&Aアドバイザーと見ていたということですね。木村様が、プルータス・マネジメントアドバイザリーを選んだ決め手は何でしょうか。
木村様 真っ当な支援をされていることに加えて、「ものづくり」に対する理解が深く、誠実さが感じられたことです。私は金融関係の友人が多いのですが、「ものづくり」の知見の有無で話す内容は大きく異なります。その点、担当の門澤さんはもともとメーカーに勤められていたということもあって、製造業の実務に即したアドバイスがいただけるのが魅力でした。加えて、いろいろ話をする中で、事業承継に直接関係のないことでも共通の話題が多く、人として信頼できると感じたのも、門澤さんの支援を受けたいと思った理由です。
株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー 代表取締役社長
公認会計士 博士(経営科学)
株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー
代表取締役社長
公認会計士 博士(経営科学)
門澤 慎
従業員の雇用とブランドを守るため
数百社をリストアップして精緻に検討
── M&Aを進めていくうえで、どのような要件を設けたのでしょうか。
木村様 従業員の雇用と「王様堂本店」のブランドを守ってほしいというのはありました。M&A仲介大手と話したときは、買収後に製造工場にされる可能性が強く感じられたので、そうなるのは避けたかったんです。
一方で、長年経営に携わってきた経験から、そんな簡単な話ではないということも承知していました。たとえ同族で事業承継をしても、会社をどうしていくかは次代の経営者が決めることですから。
門澤 木村様に限らず、優れた経営者の場合、同じレベルで事業を次代に引き継ぐのは困難です。でも、少なくともブランドを守ろうという気概のある会社を選びたいというお話は木村様としていましたので、王様製菓様が取り組んできたことをしっかりと評価し、100年にわたって受け継がれてきた思いをベースに成長をさせていこうという思いを持つ会社を探すことに力を注ぎました。
── 具体的には、どのように買い手候補の選定をしたのですか。
門澤 M&Aで買い手候補を探す方法としては、「同業」「周辺業種」「異業種だが新規参入意欲がある」「ファンド」の4軸がセオリーです。この中で、ブランドを守る気概を持つ会社がどこかと考えると、どうしても同業もしくは同業に近い周辺業種になります。
さらに米菓に限定すると、しっかり引き継げる大手は数えるほどですので、菓子という領域の中で数百社のリスト(ロングリスト)を作成し、1社ずつ木村様とディスカッションをしながら絞り込んでいきました。
木村様 先ほど申し上げたように、米菓市場は現在供給過剰だというのが私の意見です。ですから、米菓にこだわらないというのは賛成でした。
門澤 そうやって候補先を絞り込んだショートリストを作成し、王様製菓様の名前を伏せたノンネームの状態で打診をかけていきました。それで関心を寄せてくれた会社と面談をしていくのが通常のM&Aの流れですが、そのタイミングでコロナ禍に突入してしまい、M&Aが中断してしまったんです。
コロナ禍で2年半も中断したM&A
PMAの「伴走型FA」でスムーズに再開
── コロナ禍は人流が止まり、旅行や冠婚葬祭が制限されましたから菓子メーカーは大きな打撃を受けたと聞いています。
木村様 飲食店ほどではないと思いますが、売上はかなり下がりました。当然、会社の存続が危ぶまれましたので、とにかく資金繰りを回すことに集中しました。
門澤 王様製菓様だけでなく、菓子業界全体が大打撃を受けていましたので、買い手もM&Aどころではありません。当時はいつ収束するかも予測できませんでしたし、収束後も業績がどうなるか見通しが立ちませんから、「まずはコロナ禍を乗り切りましょう」というお話をしてM&Aはいったん白紙に戻しました。
木村様 2年半くらいはその状態が続きましたね。でも、門澤さんはその間も継続的に連絡をくれていたんです。
門澤 コロナ禍は特に厳しいですが、通常時も会社はいろいろな環境の変化に見舞われます。状況に応じてオーナー経営者様はいろいろなお悩みに直面しますので、スムーズに親族内承継やM&Aに踏み切れるわけではありません。
そのため、私たちプルータス・マネジメントアドバイザリーは「伴走型FA」という独自のスタイルで、中長期にわたって伴走し、さまざまなお悩みに対して可能な限りの情報提供を行っています。王様製菓様に対しても、随時ご連絡を差し上げ、決算書を共有いただいて状況の把握に努めていました。
木村様 そうやって伴走してくれていたうえに、ロングリストをもとにしたディスカッションでM&Aの方向性は共有できていたので、再開のタイミングがくればすぐリスタートできるという感覚はありました。そういう意味では、コロナ禍で中断しても、M&Aを進めるうえでの不安は感じなくて済みました。実際、リストを再度作成してもらって検討を行いましたが、スムーズにディスカッションを進めることができました。
プライベート資産の保全も
親身にサポート
老舗企業ならではの
煩雑な手続きにもしっかり伴走
── M&Aを進めた結果、栄光堂ホールディングス様に全株式を譲渡されました。多くの買い手候補があった中で、決め手は何だったのでしょうか。
木村様 最終的には2社に絞り込んだんです。どちらも従業員の雇用と「王様堂本店」のブランドを守ることを約束してくれて、しかもM&Aの経験が豊富と甲乙つけがたかったのですが、栄光堂ホールディングスさんのほうが米菓に対する知見を持っていました。売却後に従業員や取引先に少しでも迷惑をかけたくなかったので、そうならないようにと考えた結果です。
門澤 木村様が最後まで悩まれていたのが印象に残っています。
木村様 どちらを選んでも、王様製菓が大切にしてきた「手間ひまをかけた美味しさ」を守れると思いましたので悩みました。今は、無事に次代へバトンを渡すことができて安堵しています。
── ほかにM&Aを進める中で印象的だったことがあればお聞かせください。
木村様 私は全く気がついていなかったのが、所有していた不動産のことです。そのままにしていたら、本来はプライベート資産なのに会社ごと売却してしまうおそれもありましたが、門澤さんのアドバイスで売らずに済み、プライベート資産として保全できました。
門澤 不動産がある場合、それも含めて売却すると不動産分の価値が上がるので、売却金額が上がります。M&A仲介会社の場合、買い手と売り手の両方から手数料を徴収するので、結構大きな金額になるんです。
また、買い手はもし不動産が不要ならば売ればいいだけですが、売り手は不動産のまま残しておけば相続時の税金が抑えられるのに、現金化することで所得税などの負担が増すうえ、改めて相続対策も考えなくてはなりません。そういったリスクがあったので木村様にお聞きしたところ、不動産はできれば残したいというお話だったので、会社分割をして残すスキームを提案しました。
木村様 会社分割の手続きはかなり面倒だったので、門澤さんにサポートしてもらって本当に助かりました。コロナ禍を挟んでの丁寧なご支援を含め、親身さは相当なものがありましたし、ひとつひとつのプロセスが的確で無駄なく物事を進めてくれるので、非常に信頼できます。
── ありがとうございます。最後に、これから事業承継やM&Aを検討しようと考えている経営者の方々に、経験者としてアドバイスをお願いします。
木村様 M&Aを経験して改めて思うのは、「自分の会社なのに意外と知らない」ということです。特に、儲かっている会社の場合は危ないと思いますね。なぜならば、知る必要がないからです。
でも、いざ事業承継を意識して足元を見ると、自社の歴史や現在のBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)がどうやってできあがっているのか、その裏側に何があるのかを知る必要に迫られます。株主もそうです。中小企業で親族が株主に入っている場合、誰が入っているかをきちんと把握できていないと、いざ承継しようとしても反対されたり、思わぬ横やりが入ったりします。
私のように、先代から受け継いで長年経営してきた場合、そのあたりをしっかりと整理するのは意外と大変です。私と同じような悩みを抱えている中小企業のオーナーはぜひ親身に伴走してくれる信頼度の高いアドバイザーであるプルータス・マネジメントアドバイザリーさんに相談してみてください。
お問い合わせ
株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー
株式会社プルータス・
マネジメントアドバイザリー
〒100-6035 東京都千代田区霞が関3-2-5霞が関ビルディング35階
設立 2017年1月 事業内容 M&Aアドバイザリー事業、人材サービス事業
URL https://plutusmaad.jp
〒100-6035 東京都千代田区霞が関3-2-5
霞が関ビルディング35階
設立 2017年1月
事業内容 M&Aアドバイザリー事業、人材サービス事業
URL https://plutusmaad.jp