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急成長飲食チェーンが「成長戦略型M&A」に踏み切れた理由[前編] 急成長飲食チェーンが「成長戦略型M&A」に踏み切れた理由[前編]

プルータス・マネジメントアドバイザリー(PMA)は、仲介行為を一切行わないクライアント専属のアドバイザー(FA)として、多数の中堅中小企業のM&A支援を手がけています。特徴的なのは、オーナー経営者様に寄り添い、後悔のない納得の選択ができるよう中長期的な視点でお手伝いをする「伴走型FA」のスタイルを貫いていることです。M&Aについての知識をほとんど持たない状態から4年弱にわたって伴走し、全社員が納得できるM&Aを実現した岐阜タンメンBBCの事例を前後編で紹介します。

賄いの一杯が生み出した行列店
「ご当地グルメかつ日常食」の
独自ポジションで中部エリアを席巻

島田 岐阜タンメンBBC様は、中部エリアで大人気の「岐阜タンメン」などをチェーン展開されている飲食企業です。愛知・岐阜・三重を中心に、北陸や静岡、長野などで46店舗(2026年8月現在)と急拡大を遂げていますが、改めてこれまでの歩みについてお聞かせください。

嶋津 もともとは、愛知県一宮市で「博多ラーメンばりばり軒」として創業しました。私は福岡出身なのですが、創業者がラーメンづくりを教わった師匠が同じだった縁で、創業時から携わっています。数年間は博多ラーメンを提供していました。いつもとは違うものが食べたいと思い、たまたま作った野菜を炒めて作った「まかない」がとてもおいしかったんです。じゃあもっとおいしくしようと思って、ニンニクや辛味を入れるなど改良していったのが、「岐阜タンメン」の原型となりました。

あまりにおいしいので、お客様にも食べていただきたいと思って「元祖タンメン屋」という屋号で愛知県稲沢市に店舗を出したのが2009年です。ところが、掘っ立て小屋ともいえないような屋台で立地も悪かったこともあり、全くお客様が来ませんでした。1年近く閑古鳥状態が続いてもうダメだと思ったときに、岐阜市内で空き店舗を見つけたんです。最後の望みをかけて出店したところ、毎日倍増するような勢いでどんどんお客様が増え、1年も経たないうちに行列もできるようになったんです。本当に岐阜の皆様のおかげなので、「岐阜の方々に感謝タンメン」の意味を込めて店名を「岐阜タンメン」としました。そうしたら稲沢市の屋台にも行列ができるようになり、それから5年で10店舗、次の5年で20店舗と出店を加速させていきました。

下野 飲食産業の中でもラーメン業界はレッドオーシャンですが、岐阜タンメンBBC様は「ご当地グルメかつ独自の日常食」という代替不能なポジションを獲得している稀有な会社だと注目していました。生まれた経緯を改めて聞くと、博多ラーメンからもヒントを得て生み出した、独自性の高い塩ベースのスープと、それによく絡む低加水率の麺、そして野菜を含めたトッピングや替え玉で自分だけのオリジナルの食べ方を模索できるという独自性が、競争優位性の高い商品を生み出したのだと感じます。

岐阜タンメン 店舗とタンメン

島田 私たちもすっかり岐阜タンメンのファンになりましたが、岐阜出身の寺町は学生時代から知っているんですよね。

寺町 はい。学生時代から岐阜へ帰省するたびに食べています。実はあまりラーメンを食べないのですが、「岐阜タンメン」は別です。あっさりとしたスープに野菜もたっぷりで、罪悪感なく食べられます。毎回行列ができていますが、並んででも食べたほうが良いと岐阜のおすすめを聞かれた際は紹介もしていました。

「人を大切に」を徹底し
社労士からも高評価
透明性の高い経営で
従業員の女性比率も高い

島田 お客様だけでなくスタッフにも女性が多い印象です。意識して女性比率を上げているのですか?

嶋津 特に女性比率を上げようと意識しているわけではありません。現在、女性従業員は全体の約4割ですが、店舗によっては女性スタッフが多く活躍しているところもあります。

近江谷 私は中途入社ですが、創業初期の頃から社会保険労務士事務所の担当として岐阜タンメンBBCを見てきました。当時から、友人の紹介をきっかけに入社する主婦のパートさんもおり、人づてに入社される方がいることは印象に残っています。実際、従業員をとにかく大切にする会社で、社労士事務所の担当として「ちょっと配慮し過ぎでは」と進言していたほどです。社労士事務所のメンバーの間で「働きたい会社」として話題にのぼることもあり、私自身、女性目線でも働きやすそうだと感じていました。

株式会社岐阜タンメンBBC 代表取締役社長 嶋津 真樹様

株式会社岐阜タンメンBBC
代表取締役社長

嶋津 真樹 様

島田 飲食業界は慢性的な人手不足もあり、「ブラック化しやすい」ともいわれます。そんな中で働きやすいと評価される環境を整えるため、どのようなことに留意してきたのでしょうか。

嶋津 これは創業者と当初から気が合った理由でもあるのですが、そうした飲食業界の悪弊を払拭したいという想いを2人とも強く持っていたんです。長時間労働が当たり前で職場環境も整っていない、そして人を大切にしないというのをずっと見てきたので、私たちはそうじゃない会社を作ろうと創業当初から考えていました。だから、従業員が増え始めた時点で社会保険労務士や税理士などと顧問契約を結んで財務や労務を適正化するとともに、会社の状況や方向性を社内にオープンにする透明性の高い経営を目指してきました。

それができたのは、創業者がどんなときでも従業員の前で明るく、むやみに怒らないのも大きかったですね。私もそうありたいと思っていたので、従業員全員で明るく楽しくやっていこうという職場環境づくりには力を注いできました。

株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー  執行役員  マネージング・ダイレクター  下野 剛史

株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー
執行役員 マネージング・ダイレクター

下野 剛史

M&Aのイメージを変えた
PMAとの出会い
「師弟関係」を強化させるきっかけにも

島田 人を第一に考える姿勢が、成長を支える原動力になっていると感じます。実は、私たちPMAが岐阜タンメンBBC様と最初に接点を持たせていただいたのも、そうした姿勢が大きく関係しています。

嶋津 そうでしたね。最初にお話したラーメン作りの師匠が、福岡で宝フーズという製麺会社を長年経営していまして、当社はその麺を使用してきました。しかし、師匠は後継者が不在だったので、事業承継を考えていたんですね。そのアドバイザーとなったPMAさんを師匠は非常に気に入って、私たちとお酒の場で引き合わせてくれたんです。

下野 名古屋でお会いしたことを覚えています。そのとき宝フーズ様は、別の買手候補との間でM&A交渉を進めていましたので、お仕事の話ではなく純粋な懇親の場でした。

嶋津 でも、M&A仲介会社からの営業はたくさん受けていましたが、アドバイザーとお会いするのは初めてだったので、わりと緊張していたんですよ。すごく頭のいい人たちとイメージしていたので、正直とっつきにくいのではと身構えていたんです。しかし、実際にお会いしたら本当に気さくで、5分後には昔からの知り合いと話しているような雰囲気になったので驚きました。M&Aについては、質問するのも気後れするほど何も知らず、「乗っ取られる」というネガティブな印象が強かったですが、PMAさんと話すことで大きく印象が変わりました。

株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー マネジャー 寺町 崚

株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー
マネジャー

寺町 崚

島田 その後、宝フーズ様のM&Aが決まりかけた段階になって、話が大きく動きます。宝フーズ様から、岐阜タンメンBBC様のグループに入ることを考えたいというご連絡がありました。

嶋津 宝フーズの師匠から「もうすぐM&Aが決まりそう」という話を聞いたときに、「もしかすると、私たちが宝フーズをグループに迎え入れるという選択肢もあったんじゃないか」と気づいたんですよ。その想いを師匠に漏らしたところ、師匠がすぐにPMAさんに連絡してくれたんですよね。そうしたら下野さんたちがすぐに愛知(編注:岐阜タンメンBBC様の本社は愛知県一宮市にあります)まで飛んできました。

下野 M&A業界の常識でいえば、白紙に戻すのは考えられない段階まで話が進んではいました。しかし、私たちPMAは、オーナー経営者様が本当に納得できるM&Aを支援したいという想いがありますので、「宝フーズ様にとって何が最善なのか」を真摯に考えるためにも、まずは岐阜タンメンBBC様のご意向を確かめなければならないと思ったのです。実際にお話を聞いたところ、双方の想いが一致していることがわかりましたので、当時交渉が進んでいた買手候補に丁重な謝罪をするとともに、製麺を強化したいという買手候補の要望に合わせて宝フーズ様がコンサルティングを行うといった調整も行いました。

嶋津 私たちとしては、ダメ元でのご相談だったので、そこまで尽力してくれたことに感謝しかありませんでした。師匠とは関係が近すぎて、M&Aの話をしにくいところもありましたので、PMAさんがいなかったら一緒になれなかったと思います。信頼できるアドバイザーが間に入る意義の大きさと、PMAさんの調整力の高さを知ったきっかけとなりました。

30店舗超の
急拡大で直面した「恐怖感」
買収相手のFAだったPMAへ
真っ先に相談した理由とは?

島田 宝フーズ様のM&Aでは、結果的に岐阜タンメンBBC様が買手となったわけですが、少し間が空いたのち、今度は岐阜タンメンBBC様が売手側としてM&Aを検討されます。

下野 2021年6月に宝フーズ様が岐阜タンメンBBC様のグループ会社となりました。その1年半後の2023年1月に、嶋津様からお電話をいただいたんです。なぜあのタイミングだったのですか?

嶋津 当時、30店舗を超えたところで、ちょっと恐怖を感じたんです。味には自信がありますし、従業員もみんな頑張ってくれているので、社内のマネジメントには不安がなかったのですが、30店舗超となると動くお金も大きくなります。この先、さらに出店を拡大していくとしたら、どれだけお金と人が必要なのか、どんなITシステムを整備しなければならないのか、全く想像がつきませんでした。自分たちで対応できない難しい局面に突き当たるのではないかという不安が大きくなっていました。

さらに、創業者がもうすぐ50歳を迎えるタイミングで、「人生の第2ステージを考えたい」という意向を持っていました。会社を次のステージへ進めるためにも、早期に経営基盤を強化しなければならないと感じていたのです。

そんなとき、頭に浮かんだ選択肢がM&Aでした。以前は悪い印象しかありませんでしたが、私たちも宝フーズをM&Aでグループ会社化して非常にうまくいっていますし、成長戦略としてM&Aを活用し、会社を次のステージに押し上げた事例も耳に入ってきていました。「従業員にとってもM&Aは怖いのではないか」から、「経営基盤が安定するならば、従業員にとって安心できる選択肢なのではないか」と考えるようになったんです。

株式会社岐阜タンメンBBC  財務部・総務部  部長  近江谷 真実 様

株式会社岐阜タンメンBBC
財務部・総務部 部長

近江谷 真実 様

島田 PMAでは、これまでも買手側だった企業から「今度は売手側として相談にのってほしい」と依頼されたことはありますが、M&A業界では珍しいことだと思います。数あるアドバイザーの中から、PMAにお声がけをいただいた理由は何でしょうか。

嶋津 先ほども申し上げたように、営業にやってくるM&A仲介会社はたくさんいるので、お願いすればいろいろな企業を仲介してくれるだろうとは思いました。でも、まずは売ることが前提ではなく、「M&Aとはそもそも何なのか」「M&Aにはどんな選択肢があるのか」を知ったうえで、自分たちがどう進むべきかをしっかり見極めたいと考えたんです。

そうやって基本から教えてくれる会社は、私たちにとってPMAさん以外に考えられませんでした。宝フーズのM&Aでやりとりをしている中でも、何でも聞きやすいと感じていましたし、師匠を含め私たちにとって最善な選択肢を提示してくれた実績もあります。「信頼できる人に相談したい」、これがPMAさんにお願いをした最大の理由です。

M&Aの基本から丁寧にレクチャー
PEファンド10社以上と
事前面談するなど、
きめ細かい「伴走型FA」支援で
不安を解消

島田 PMAにどのようなことを期待されましたか?

嶋津 岐阜タンメンBBCにとって最適な道を示してくれることを期待しました。正直、私たちはM&Aについて全く何も知りません。私たちの実現したいことが本当にM&Aでできるのかどうかもわからないので、基本的なことから教えてほしいと思っていました。そのうえで、やはりM&Aをしたほうがよいのであれば、きっと私たちにとってベストな相手を見つけてくれるだろうと思っていました。

下野 M&Aアドバイザーというと、相手探しをして紹介するだけというイメージを持たれがちです。実際、M&A業界の中には、残念ながら手数料を目的に強引な営業活動や成約を必要以上に急ぐ支援会社もあります。しかし私たちPMAは、納得のいくM&Aをしていただきたいので、オーナー経営者様がM&Aを決断する前の段階から寄り添い、中長期的な視点で悩みや課題の整理・解決をサポートする「伴走型FA」の支援を行っています。岐阜タンメンBBC様の場合も、M&Aありきではなく、ひとつひとつお悩みをお聞きして解決していきました。

嶋津 本当に細かいことを丹念にすり合わせてくれました。M&Aの基礎知識からさまざまな事例、社会の状況によって変化してきた状況など、気になることは何でも聞きました。「成長したら、従業員にもちゃんと還元したい」という話をしたら、顧問税理士にも声をかけてストックオプションの勉強会まで開いてくれましたね。

中でも大きかったのが、「PEファンド」という選択肢があることを教えてくれたことです。PEファンドがどういうものなのか詳しく知らず、「乗っ取られるのでは」というネガティブなイメージがあったのですが、投資先企業の成長をサポートすると聞いて俄然興味が湧きました。

近江谷 最初は、M&Aといえば事業会社による買収というイメージしかありませんでした。ですから、経営強化をサポートしてくれるPEファンドという選択肢があって、ブランドや組織を維持したまま成長することもできると知ったときは本当に安心しました。

しかも、PMAさんはまだM&Aをするとも決めていないのに、10社以上のPEファンドとの面談機会を用意してくれたんです。あとで聞いたら、私たちが望んでいることをまとめた資料も作成し、どんな支援ができるのか説明してほしいとPEファンドに事前に伝えてくれていました。

[ファシリテーター]株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー 執行役員  マネージング・ダイレクター/米国公認会計士(ワシントン州) 島田 光太郎

[ファシリテーター]
株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー
執行役員 マネージング・ダイレクター/
米国公認会計士(ワシントン州)

島田 光太郎

島田 他社ではあまりやっていないようですが、PMAでは納得のいくM&Aをしていただきたいので、PEファンドとの面談機会も当たり前のようにご用意しています。実際、直接話をするとご理解も深まるのではないかと思っているのですが、いかがでしたか?

嶋津 パートナーシップを組んでいく相手になるので、やはりどんな人がどのような想いを持っているのか把握できたのは大きかったと思います。それに、わからないことがより明確になったのも良かったと思っています。というのは、PEファンドさんの話に最初は全くついていけなかったんです。その場では聞きづらかったので、面談を終えてからPMAさんに逐一聞いて、ひとつひとつクリアにしていきました。このやりとりでPEファンドに対する理解がますます深まりましたし、M&Aを進める土台にもなったと思っています。

お問い合わせ

株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー

株式会社プルータス・
マネジメントアドバイザリー

〒100-6035 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング35階
設立 2017年1月  事業内容 M&Aアドバイザリー事業
URL https://plutusmaad.jp

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設立 2017年1月  
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