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2023年度のM&A件数(通年比較)

2024.02.06コラム

2023年度のM&A件数(通年比較)

  2023年度も終わり2024年度となりました。コロナ禍は収束しつつありますが、ウクライナ問題やイスラエル問題など世界の情勢は混とんとしています。政治の不安定性は経済や企業活動にも影響を及ぼし、それがM&A市場にも波及していきます。2023年7月のコラム2023年度のM&A件数(年度比較と同月比較)では、以下の記載をしました。

月次で見ると、2022年度の10月~12月は、コロナ前の2019年の同月と同様の推移に戻り、年末にかけて大きくM&A件数が伸びていることがわかります。そのためこの流れのまま、2023年度の件数も同様に推移するかと思われましたが、2023年度はこの集計時の5月までをみるとやや低調な推移となっています。

このように2023年度上期では低調だった(思ったよりは回復しなかった)M&A件数でしたが、それでは2023年度下期はどうだったのでしょうか。
月別M&A件数比較(買収+事業譲渡)_2023年

月次で見ると、8月と12月はコロナ前の2019年の同月を上回る件数と大きく回復しています。また各年の年間件数は以下の通りです。
年間のM&A件数_2023年

 コロナ禍前の2019年にはわずかに及ばないまでも、2021年、2022年の件数を上回る結果となりました。これら結果をみると、2023年度下期にかけてM&A市場は大きく回復したと言えるのではないでしょうか。

 世界情勢の不安定さはありつつもM&A市場が回復している背景には、アメリカや日本の株式市場の活発化が企業活動にも好影響を与えているのかもしれません。また日本特有の背景としては、東証の上場企業に対する企業価値向上対策も影響を与えていると思われます。短期で企業価値を向上させるためには、M&Aは重要(かつ説明しやすい)な手段となります。2024年1月の足元の筆者の感覚でも引き続きM&Aの動きは活発であると感じます。当面はこの流れが続くでしょう。

 しかしM&Aは実行することがゴールではなく、M&A実行後に当初想定通り(以上)の企業価値を向上させることが最も重要となります。件数だけを追いかけるのではなく、その後のシナジーも見据えた体制を社内外で構築することも肝要です。

この記事の執筆者

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公認会計士 門澤 慎

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