
2025年初頭に書いたコラム「2024年通期M&A件数」では、上半期のみならず下半期も含め通期でM&Aの件数が2,500件を突破し、コロナ前の水準を上回った記載しました。非常に高い水準です。そして2025年もこの勢いは継続するどころか加速しているように思われます。

※出所:レコフデータ MARR Proを基にグラフ作成
過去6年の件数と2025年上期をグラフ化して並べてみると、一目瞭然です。年明けから高い水準でスタートしましたが、4月には突出した件数となり、5月以降も少し勢いは落ちましたが、過去と比較すると依然として高い水準で推移しています。
上期累計で集計したグラフは以下の通りです。この勢いで推移すると2024年の2,674件は突破し3,000件に近づくと想定されます。

※出所:レコフデータ MARR Proを基にグラフ作成
このように高い水準で推移するM&Aは、M&Aを生業にしているアドバイザーにはうれしい悲鳴かもしれませんが、喜んでいるだけではいけません。このような数多くの件数に対応できるM&Aアドバイザーの育成が急務となります。M&Aアドバイザーは単なるマッチング業務ではなく、会計・税務・法務・ファイナンス等の知識をフル活用して顧客に対してしっかりとした付加価値を与えなければならない業務なので、人材も一朝一夕で育つものではありません。しかし最近の風潮を見ると、特にM&A仲介会社は人員数を会社成長のKPIに置き、その数が増えた、減ったという説明をしているようにも見受けられます。この考え方では顧客に満足してもらえるM&Aアドバイザー業務ができないだけでなく、能力や倫理観のない人間をM&A業界に招き入れてしまうことでトラブルも増えていくことでしょう。過去のコラムでも説明しているような、昨今の不適切な買い手問題がその例です。
M&Aアドバイザリー業務を行っている人間や、M&Aアドバイザリー会社を経営しているマネジメントは、M&Aの重要が増えたことをただ(無邪気に)喜んでいる場合ではなく、逆に需要が増えている中で、顧客に期待される付加価値を提供し続けることができるのだろうか、という視点で日々、業務や経営に向き合う姿勢が必要なのではないか、と考えます。
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2024年度通期M&A件数
2024年度上期のM&A件数
2023年度のM&A件数(通年比較)
2023年度のM&A件数(年度比較と同月比較)
2022年度のM&A件数(年度比較と同月比較)
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