2023年度は日常生活について、あまりコロナを意識しない行動に戻り始め、また5月にはコロナが5類に移行したことで、行政面でも同様の流れとなってきました。そこで今回は、コロナ前の2019年と、コロナ中の2020年、2021年2022年、そしてポストコロナとしての2023年度のM&A件数における年度比較と同月比較を行い、2023年度のM&Aがどの程度回復したのか見てみたいと思います。
まず月別のM&A件数は以下の通りです。
月次で見ると、2022年度の10月~12月は、コロナ前の2019年の同月と同様の推移に戻り、年末にかけて大きくM&A件数が伸びていることがわかります。そのためこの流れのまま、2023年度の件数も同様に推移するかと思われましたが、2023年度はこの集計時の5月までをみるとやや低調な推移となっています。
年度別の件数は以下の通りとなります。
2023年度は5月までの集計で715件と、コロナ初年度の2020年の件数は超えているものの、2019年度の810件だけではなく、コロナ中の2021年度、2022年度の件数を下回っています。
2021年度、2022年度と日常生活では年々コロナの影響がなくなるにつれて件数も回復してきたことを鑑みると、足元でまたコロナ感染者が増えているというニュースもありますが、コロナを要因に求めるのではなく、ウクライナ問題や欧米諸国に利上げや円安等の経済を取り巻く状況に要因があるのかもしれません。比較的閑散期である夏に伸びるのか(つまり4月5月でクローズするはずだった案件が6月以降にクローズすることで件数が戻る)、このまま低調に推移するのか、下期に大きく伸びるのか、今後も注視していきたいと思います。
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- 公認会計士 門澤 慎