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業種別のEBITDA倍率

2022.10.14コラム

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 過去のコラム(会社の価値の考え方)で紹介した類似会社比較法におけるEBITDA倍率の考え方につき、以下の記載をしました。

ここで用いる倍率は、対象企業が属している業界の上場企業のEBITDA倍率となります。この倍率は業界によってまちまちですが、平均すると6~8倍程度となると言われています。
しっかりと株式価値算定をする場合は、業界のEBITDA倍率を計算する必要がありますが、初期的な検討においては6~8倍を使って計算をしてみる、といった方法も有効でしょう。

 確かに初期的には全社倍率の6~8倍を使えばよいと思いますが、そうはいっても業種によって一定程度のばらつきが発生するはずです。例えばBSが小さい(設備等の資産が少ない)サービス業やIT企業と、BSの大きい(設備等の資産が大きい)製造業等とでは倍率が異なるでしょう。そのためこれらの業界を初期的に比較したい場合は、6~8倍で算出した結果では初期的といえども判断を誤る可能性もあります。そこで日本の上場企業を対象に、2020年度実績をベースに東証33業種に分類した業種別倍率を算出してみました。またEBITDA倍率に加えて、PBR倍率、PER倍率、EBIT倍率も算出しました。
業種別倍率

 業種別でみてみると、やはりBSが軽い情報通信業やサービス業の倍率が高くなる傾向にあり、一方でBSが大きい輸送機器や鉄鋼等は倍率が低くなっています。また足元の業界の業績を反映した倍率も散見されます。
 上記倍率はあくまで参考値であり、実際に算定する際は業種や規模、事業内容等をしっかりと検討した上で類似会社を選定する必要があります。しかし限られた時間の中で株式価値に関する概算値を検討するなどで一定の目安になるかと思います。是非、ご参考ください。

この記事の執筆者

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公認会計士 門澤 慎

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